中尾 康之助さんの作品3
ブダペストの思い出[乗り物]
(ブダペスト滞在2012.09.28~10.04)
二十数年来行きたいと思っていたブダペストへ妹夫婦と四人でやっと来ました。
出迎えてくれたガイドにメトロや路面電車の乗り方、切符の買い方などを教えてもらって、四人で行動します。
[長くて速いエスカレーター]
メトロに乗ろうとして最初にびっくりしたのは、物凄く長いエスカレーターで、日本では考えられない速さで地下深くまで下って行く事でした。ホームへ降り て困ったのが、メトロ全体の路線図は有りましたが、どちらのホームの電車に乗れば目的地へ行けるのか分からない事でした。例えばプラハの地下鉄のような表 示板があれば有り難いです。また、表示が全てハンガリー語でしたが、英語の表示もあれば旅行者にとって助かると思います。ホームで地図を示して、近くに居 る人に尋ねると、どなたも親切に教えてくれたのは嬉しく助かりました。
とても長いエスカレーター
路線図のないブダペストのメトロ プラハのメトロのプラットホームの路線図
[泥棒発券機]
路面電車は周囲の景色を見られるので良く利用しました。その中で一番の傑作は、ゲッレールト温泉の前の路面 電車の駅の自動発券機です。今回の旅行であった唯一の泥棒被害です。停留所に設置されている自動発券機で切符を買おうと硬貨を入れますが切符が出て来ませ ん。硬貨を間違えたかな、と今度は硬貨を確認して入れますが発券されません。ボタンを押しても叩いても、下の受け皿は空っぽでお金も戻って来ませんでし た。四人で困っていると、見かねたのか若い女性が「この機械は壊れているので切符は出ないし、入れたお金は戻って来ない。向こうの店で買いなさい。」と教 えてくれました。ずっと故障のままだったようで、わたしが二日後に通りかかった時もそのままでした。結局、自動発券機に400フォリントを盗まれました。 以後はメトロの駅の有人窓口で切符は買いました。あの発券機は故障の札を貼られる事も無く今日も観光客からお金を盗っている事でしょう。
泥棒発券機
[胃の中の物を全て腸へ落とす登山鉄道]
観光客で賑わう中央市場で妹夫婦と昼食をした後、妹夫婦と別れ妻と二人で路面電車からメトロ、路面電車と乗り継いで登山鉄道を乗りに行きました。登山電 車はラック式で歯車をレール中央にある歯型のレールに噛み合わせて急勾配を登って行く形式です。車両は平地を走る電車と同じく車体も窓も長方形で菱形では ありません。土曜日も午後ですので乗客は少ないですが、子供連れの夫婦や自転車を持ち込んでいる若者などが乗っていました。
電車の騒音と上下振動の酷さにびっくりしました。この形式の登山鉄道は何回か乗っていますが、こんなに振動するのは初めてです。中央市場で食べた、私には少々重たかった昼食を全て胃から腸へ落とし込んでしまいました。
登山鉄道の山頂駅 今でも活躍している蒸気機関車
駅舎の1948とある窓格子
[大人顔負けの子供鉄道]
登山鉄道から子供鉄道に乗り継ぎました。子供鉄道の開業は1948年で十歳から十四歳の子供たちで列車運転 以外の業務を行っていると聞き、興味をそそられて乗る事にしました。出札窓口は可愛い女の子です。一万フォリント札を出すと、小額紙幣にしてくれ、と言わ れてしまいました。車庫から蒸気機関車が煙を出してこちらに来ますが、残念ながら私たちの乗る列車は蒸気機関車ではありません。
列車が動き出すと早速、子供の車掌が車両の入り口で何か言ってから検札です。見ていると線路のポイントを切り替えているのも子供です。列車が出て行く時に敬礼しているのも子供たちです。
黄色く色づきだした木々を左右に見せて山肌をぬうように列車は走り、ブダペストの秋の一日を、市街地の雑踏から逃れてゆったりとした気持で過ごさせてくれました。子供鉄道に感謝です。
検札をする子供鉄道の車掌さん
以上