酒井恵理子さんの作品

ブダペスト1泊旅行

夫とふたりでウィーンに10日ほど旅行に行った際の2012年6月5日 2人共にかねてから念願の 歴史ある重厚な都市として訪れてみたかったブダペストへ1泊でしたが行くことができました。

 ウィーンからレイルジェットで2時間半ほど。列車の中でアナウンスのあったブダペスト東駅 「Budapsto Keleti pu ブッダペシュト  ケレティ プッ」 を早速聞き覚え 降り立った東駅は天井高く 日本とは違う大型の列車が並び大きな高窓から光が差し込むヨーロッパのターミナル駅のイ メージそのままで 半世紀前の映画の主人公になったようでした。

長いホームを歩き外へ出ると駅前は工事中で 人々は用ありげに歩き 皆が行く階段を下りていくと地下鉄でし た。日本ではめったにない手売りの切符を並んで買い地下鉄のホームへ。頑丈そうな地下鉄に様子がわからず少々用心しながら数駅乗り ホテル最寄駅で下車。 駅からは観光客なども行きかうカフェの並んだ道を抜けドナウ川沿いにホテルまで歩きました。

 ホテルでチェックインを済ませ どこの国へ行っても楽しみな街歩きに出発。
 まずバスに乗って沿道の風景を見ます。手入れのされた庭に囲まれた家々 バラの咲き誇るバス停そばの家 買い物に行くらしい私と同じくらいの年格好の女 性はふっと表情を緩め空いている私の隣に坐り 話をすることもなく バスを降りるときはまたにっこりして無言でさようなら。
 日本人と異なりさまざまな歴史を目の当たりにしたはずの世代の人がカゴをひざに乗せて日々の生活にいる そして旅行者のわたしは彼女と顔を見合わせうなずき合って、名前を知らない街の日差しの中を走るバスでの静かな時間です。
 バスを降りトラムに乗り継いでマーケットに行くと 小さな台に蜂蜜の瓶を並べている蜂蜜屋さんがありアカシアの蜂蜜をいくつか買いました。アカシアをア カッツということを店の女性に教えてもらい ここでも同世代の気安さで言葉はわからないながらも一緒に写真まで撮らせていただきました。

その後はオペラ座の裏の通りで見つけておいたアンティーク屋さんで 買い物。小さな店内に所狭まし並んだ小 物と二階には山のように積まれたテキスタイル、レースや刺繍された布などあり 1日中見ても時間がたりない!とあせるような思いでしたが 店の方が 二階でゆっくり見て終わったらあなたが電気を消して降りてきて と1人にしてくれましたので心ゆくまで見ることができました。
 何年か前、何十年か昔に使われたレース テーブルクロス 服などどんな人が使ってそして手放したのだろうと思いながら小さな部屋でテキスタイルに埋もれ薄暗い電球の光で品定めし 別世界にいるようでした。

 夕方ホテルへ戻り さて夕食はどうしよう 景色の良いカフェで飲んで食べようかと夫と相談しましたが部屋がドナウ川をはさんで王宮の前なので 出かけて 行くより部屋でゆっくりしようと 買ってきたトカイワイン、ハム 、パンなどを窓際のテーブルに並べ 素晴らしい夕景を見ながらのひとときとなりました。
 刻々と変わる夕日 ワイングラスに写る王宮の丘 日が落ちて青く暗い空に王宮がシルエットとなり次第に空に溶けていくとドナウ川の鎖橋と船の明かりがともり 手にしたワインを飲むことも忘れて見入りました。

翌日は昨夜対岸より見た王宮 漁夫の砦 マーチューシャ教会へ。朝早かったのでまだ人気も少なく 王宮の丘 から川向うのペスト側の 朝日に照らされ輝く街に緊急車の音が響きわたっているのをしばらく眺めていました。昨夜の夜景も朝の景色もお天気に恵まれ堪能す ることができました。
衛兵の交代に居合わせることができて20人程のカーキ色の軍服にブーツの衛兵が銃を持ち小太鼓の音とともに交代する様子も見られ興味深いことでした。

王宮の丘から下り トラムで中央市場へ行き昼食 蜂蜜屋さんでまた蜂蜜を買い、そしてパプリカも買いました。

 郵便局を見学したいという夫と別れ公園のベンチにいましたら 中学生くらいの女の子が3.4人 フェイスブックをやっていますか?ハンガリー語は話せますか?と尋ねてきました。私はフェイスブックはしていないと答えお互い片言の英語でどうにか話せる ので英語は習ったの?と聞くと学校で習ったとのこと。 どこの国から来たのですか。名前は?と聞くので フロム ジャパン というとジャパン!ジャパン!  名前はエリコというとエリコ!エリコ! エリコを漢字で書いてみせ、あなたのなまえは?と聞き名前を漢字で書いてあげたら大騒ぎになりました。クラス単 位で来ていたのでしょうか、15人くらいが集まって来て私の名前も書いてと口々に名前を言います。待って待ってと順番に聞き漢字で名前を書いてあげまし た。15分くらい書き続けても次から次へと集まってきて 男の子はタトゥー感覚なのか腕に書いてといいます。書いてあげると友達の方に走って行きそれを見 せられた友達がまた集まってきます。先生らしい男性が来てサンキュウといいその場にいた子たちと一緒に写真を撮ってくれました。たくさんの子供たちの名前 を教えてもらって話をすることができました。

再び東駅に戻り夕日の中をブダペストを後にしました。1泊2日の訪問でしたが思い出深い旅行となりました。公園のあの子たちは今でも ジャパンのエリコ を覚えているでしょうか。